不動産の名義変更が必要な理由
そもそも登記とは、誰が不動産の所有者であるかを示す役割があります。
この手続きを怠って亡くなった方の名義のままにしておくと、その土地や建物の所有権を主張することができないという理屈になります。
しかしこの相続登記手続きには義務がなく、明確な手続期限も定まっていないために、名義変更をしないまま放置してしまう方がいらっしゃいます。
果たして、相続登記をせずにそのまま放置しても問題はないのでしょうか?
※2020年以降に相続登記の申請は義務化になり、一定期間を過ぎると罰則を設けられる見通しです(2019年12月)
【相続登記をしないデメリット】
・その相続財産(不動産)に関する自分の権利を他人に主張することができなくなる恐れがあります。
たとえ自分がその不動産を全て相続していても、その相続登記がされていなければ、自分の所有権を主張できないということになります。
・相続をした不動産を売却したり、その不動産を担保に融資を受けたりすることができません。
・相続財産の名義変更(遺産分割)を終えてない場合は共有財産となるので、共有者全員の合意がなければその不動産の売却ができません。
・相続人の誰かに返済のできない債務があったり税金の滞納がある場合には、遺産分割協議が済んでいても、その相続人の持分が差し押さえられる可能性があります。
【登記をしない理由】
死亡した人が地方に土地を保有していた場合に、遺族の方(相続人)では発見することが出来ずに、名義変更を怠ったケース |
このまま放置しておくと、相続する権利を保有する相続人が時間ともにどんどん増えていき、遺産分割に異を唱える相続人が出てきます。
相続人が(借金などを理由に)行方不明になってしまい、その相続人が不在のため、相続ができないと思い込み名義変更をしなかったケース |
相続人がなんらかの理由で行方不明になってしまうこともあります。しかし、その相続人不在ではもちろん遺産分割協議は成立しません。
登記済証(権利証)を紛失したため、登記ができないと思い込んでいるケース |
不動産所有している方は、権利証(不動産登記法改正により権利証が発行されていない場合は、登記識別情報)をもっておられると思います。
紛失してしまった場合、権利証は再発行されることはありませんが、相続登記は権利証が無くてもすることができます。
相続登記をすると、“莫大な”相続税が発生すると思い込んでいるケース |
相続に関する手続きをした時に、何でもかんでも相続税が発生すると思っておられる方が非常に多いのですが、相続税が発生する相続案件は全体の4%に満たないのが現状です。
なんらかの理由で登記をせずに、そのまま長期間経過してしまった場合、なんらかの罰則を恐れて、名義変更ができなかったケース |
名義変更をしなかったからといって、罰則などが適用された例はございません。ですから、すぐに名義変更することをお勧めいたします。
そもそも登記が必要なことすら知らない |
新しく土地を取得した場合は、所有権の移転登記が必要になりますし、建物を購入した場合などは、所有権の登記が必要になります。
【登記をしないデメリット】
・時が経つとともに、関係性の希薄な相続人が増え、まとまる話もまとまらなくなる。
・相続財産の名義変更(遺産分割)を終えてない場合は、共有財産となるので、その不動産の売却もできません。